代表挨拶

私たちが抽出に取り組んでいるプロタミン硫酸塩や核酸（DNA）などは、いったいどのような市場なのでしょうか？それは本当にニッチな分野で、製薬メーカーや健康食品メーカーなどには必ず必要な物質にもかかわらず、年間数トン程度しか採取できません。その程度の分量では、大手企業が進んでプラントを動かして精製するはずもなく、現状ではそれを専門に扱っている会社は、われわれを含めて世界中でわずか数社しかないのです。その中でも私たちは一番規模が小さな会社で、社員も20人程度しかいません。しかし、天然物から未利用物質である有効成分を抽出・精製する技術開発に、会社創業前の昭和53年から取り組んできた私たちには、受注に即応できる可変性のあるプラントの設計を始め、抽出・精製のノウハウの蓄積があります。その技術的なアドバンテージと堅実な企業努力を続けてきた結果、世界の大手製薬メーカーとも取引をするまでに成長しました。

私たちは、決して大きな会社がいい会社だとは思いません。設立当初から、小さくても「いい会社」を目指して歩んできました。私たちは技術開発の分野で他社をリードしてきた会社ですので、私たちの考える「いい会社」とは、やはり高付加価値の商品を創造し続けられる会社のことです。そのためには現在の商品の特性を考えると、30人くらいの規模が限度でしょう。しかしそれでも今の会社の規模から更なる増員になります。なかなか大変な道のりですが、反面その時のことを考えるとワクワクしてきます。

 

これからバイオケムは、未使用資源の有効利用により社会に貢献するという会社の理念をより突き詰め、今後はサケだけではなく、例えばニシンのように数の子にしか利用価値のない魚などから、血圧効果作用を持つたんぱく質等を抽出することに挑戦していきます。ヨーロッパやアメリカ製の商品が、新興国である中国製などに変わってきている現在、我々日本企業の持っている優れた技術で、さらに成長していきたいです。実験や研究が好きな方なら、とことん面白い会社だと思いますよ。興味が沸かれたら是非一度工場見学にお越しください。お待ちしています。

代表取締役　村瀬 宜也